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AIは人事戦略でどこまで使えるのか──限界と可能性

AI面接官が広がりを見せている。
人間の面接官であれば、「有名大学卒だから優秀だろう」といった先入観を持ちやすく、さらには容姿によって無意識に評価を甘くしてしまうこともある。
心理学における「ハロー効果」のようなバイアスを排除できるというのは、AI面接の大きな利点の一つだ。
AIの感情表現についても近年は進歩が著しい。
音声の抑揚や表情データを解析し、人間らしい反応を示す技術も発展している。驚いた表情、悲しい表情、喜ぶ表情——これらを再現することは、もはや珍しいことではない。

しかし、ここで気をつけるべきなのは、それは「本物の感情」ではなく、データと計算による模倣であるということだ。
AIが「悲しい表情」を作るとき、それは「人間が悲しいときに見せる表情のデータに基づいて計算し、最も適切なものを再現する」だけであり、AI自身が悲しんでいるわけではない。
もちろん、人間も意図的に涙を流すことがある。
例えば、異性の前でわざと泣いて気を引こうとしたり、俳優が役になりきって涙を流したりすることもある。
しかし、それらはAIのように単なるデータの処理結果として涙を見せているわけではない。
つまり、人間の涙には「意図」や「背景」があり、感情の流れの中で生じるものだが、AIの涙は「計算」だけで生じているという違いがある。

また、人間とAIの決定的な違いとして、「意味を見出そうとする力」がある。
人間は物事に意味を持たせようとする。人生の出来事を「なぜこうなったのか」「これは自分にとってどんな意味があるのか」と考える。
そして、時にその意味を見出せなくなったとき、人は絶望し、自ら命を絶つことすらあるのだ。
一方、AIには「生きる意味を問う」という概念がない。AIが自らの意思で「この仕事を続けるのは辛いからやめたい」「生きる価値がない」と感じることは決してない。
こうした違いを踏まえると、現段階ではAIは面接官の補助ツールとしては有効だが、主役にはなれないというのが現実的な結論だろう。
スクリーニングや基本的なスキルチェックでは、AIの客観性や効率の良さが活かされる。
しかし、最終判断や候補者のモチベーションを見極める場面では、やはり人間の「直感」「共感」「判断力」が欠かせない。

現時点では「AI vs 人間」という対立構造ではなく、「AIの強みと人間の強みを組み合わせる」ことが最も合理的な選択肢なのだろう。
しかし、AIの進化は止まらない。今はまだ補助的な役割にとどまっているが、長期的にはAIの精度が向上し、「人間にしかできない」と思われていた面接官の役割にも、少しずつAIが入り込んでくるかもしれない。
それでも、人間には「AIにはできない仕事」がまだまだある。
採用の現場で重要なのは、候補者の「スキル」だけでなく、「価値観のマッチング」や「組織との相性」を見極めること。
これは数値化しづらく、データだけでは判断できない部分が多い。
AIがスクリーニングを担うことで、人間の面接官は、候補者とのより深い対話に時間を使うことができる。
AIに置き換えられる部分を活用しながら、人間にしかできない仕事をさらに磨くことが、これからのAI時代における面接官や人事に携わる者としての役割であると考えております。
Cork株式会社 代表取締役 松野 健太
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